吊るされた男(正位置)
ライダーウェイト版タロット(吊るされた男) Arthur Edward Waite(アーサー・エドワード・ウェイト)とPamela Colman Smith(パメラ・コールマン・スミス)による。

基本的な意味

試練、自己犠牲、献身、恍惚、諦念、修練、苦労が報われる

一人の男が、T字に枝を伸ばした木に、逆さまに吊り下げられています。男の両手は隠れていて見えませんが恐らく後ろで縛られており、片足は折り曲げられた不安定な姿勢です。にもかかわらず、彼の表情は穏やかです。

彼は自らの境遇を受け入れ、進んで犠牲を払っているのです。誰のための犠牲なのでしょうか。家族、友人、国、人間社会……彼がどこまでの重荷を背負っているのかはわかりませんが、彼の高潔な精神は、他者のために苦痛を受け入れ、耐えることを選んだのです。

正位置での意味

総合

吊るされた男のカードは、忍耐と自己犠牲の象徴です。

自分がコントロールすることのできない状況は、人生の中で何度も訪れます。そんな時でも、新たな視点で自分の置かれた状況を観察し、前に進むための方法を静かに考えることはできるはずです。

苦難の中に光を見いだす、精神的な修練が求められてもいます。

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今は耐えるべき時です。今の忍耐が報われ、明るい未来が開けるはずです。

もし、今の関係が忍耐に値しないものであるなら、それは解消すべきもの、手放すべきものなのかもしれません。

試練に耐える価値がある関係であるなら、今は精神的に成長するときだと考えるて、耐えるのもいいのではないでしょうか。

ただし、その価値がない関係であるなら、自己犠牲は避けるべきでしょう。

仕事

試練の時です。仕事上の困難に直面しているなら、今こそ成長のチャンスなのかもしれません。個々を耐え忍んで大きく成長することで、大きく飛躍できる可能性が開けています。

もし、努力が報われないことがわかっているなら、いたずらに自己を犠牲にせず、正しい方向へ向かうべきです。困難を避けるために努力することも、修練の一つではないでしょうか。

逆位置での意味

総合

吊るされた男の逆位置は、あなたが自分の精神性と上手く向き合えていないことを示唆しています。

あなたは高い精神性を持っているのに、それを生活に反映することができずにいるのかもしれません。偽善的な言動や不道徳なことをして、自らの精神性を損ねているのかもしれません。

あるいは、耐えてきたことが大きすぎ、時が長すぎて、もう耐えられずに偽悪的な行動に出てしまっているのかもしれません。 もしそのようなことをしているなら、解放されるべき時です。

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自己犠牲は報われないかもしれません。

耐えていても、ただ時間が過ぎゆくだけで、喜ばしい結果にはつながらないかもしれません。今の関係を見つめ直し、耐える価値があるものかどうか、考えるべき時が来ているのではないでしょうか。

仕事

誰かがあなたに犠牲を強いようとしているのかもしれません。あなたが望んで自己を犠牲にしているのだと思わせて、搾取しようとしている人はいませんか? その努力や忍耐は、やるだけの価値があるのか、報いられるものなのかどうか、よく考えてみてください。

解説はあくまでも一例です。カードはそこに表現された絵で、私たち一人一人に向けて、その時に必要なメッセージを送ってくれています。そのメッセージを、あなたの心で受け取ってみてください。