教皇(法王)(正位置)
ライダーウェイト版タロット(教皇・法王) Arthur Edward Waite(アーサー・エドワード・ウェイト)とPamela Colman Smith(パメラ・コールマン・スミス)による。

基本的な意味

道徳、伝統、慈悲、寛大さ、規律、正統性、尊敬

教皇は精神面、スピリチュアルな世界における権威の象徴です。

皇帝が経済や政治の世界での権威の象徴であるのに対して、教皇は宗教や倫理の世界、理想を目指す心の世界における権威の象徴です。彼は慈悲深く寛大でありながら、厳格に理想を追求する、正しいが故に厳しい指導者でもあります。彼の前に跪く二人の信徒への眼差しが、それを表しています。

そして、彼は清廉潔白なだけではなく、最高位まで上り詰めるだけの政治性を持つ人物でもあります。

正位置での意味

総合

あなたの信条、倫理観が問われる機会があるかもしれません。人は何を言ったかではなく、何をしたかによって判断されます。きれい事を言うことはたやすいですが、きれい事に従って行動することは誰にでもできることではありません。

今までそうだったから、ずっとこうしてきたからではなく、真の意味で自分の信じるべき道はこれだというものに基づいて決断することはできるでしょうか? 人間としての真価が問われる場面です。

恋愛

伝統的な価値観における恋愛を祝福するカードです。

お見合いや親族、友人・知人からの紹介などがきっかけとなる良い出会いが期待できるかもしれません。

経済的な条件や、外見に魅了される恋愛ではなく、精神的な結びつきや、静かだけれど長く続く愛情を求める関係を表しています。

仕事

仕事の面においても、伝統的な価値観を重視するカードです。

これまでの誠実な仕事ぶりが評価されて、信頼や尊敬を得られる時期が来ているのではないでしょうか。

協調性や社会のルールを重視して、堅実に仕事を進めることで、良い結果が得られるでしょう。上司や目上の人物からの引き立てが得られるかもしれません。

逆位置での意味

総合

伝統や慣習に従うことが、常に正しいとは限りません。

あなたがもし、伝統的に正しいとされることやこれまでの慣習に反することをしようとして葛藤しているなら、真にあなたのためになる、自分を幸福にする道を選んでください。

そして、そのことであなたを非難したり、後ろ指を指してくるような人がいるなら、距離をとることも必要ではないでしょうか。

自分の行動が正しいのかどうか自信がないか、後悔していることがあるなら、自分の良心に従ってこれからの行動を決めましょう。過ちは正すことができますし、過去に正しいとされたものが今も正しいとは限らないのです。

恋愛

逆位置での意味の教皇は、伝統や慣習からの逸脱を意味しています。

結婚を前提としない恋愛や、精神性を重視しない恋愛を表している可能性もあります。

あるいは逆に、伝統や社会のルールに縛られすぎて、愛情を遠ざけたり、自分の心を押し殺したりしているのかもしれません。

仕事

仕事の面でも、道徳や慣習からの逸脱を表します。

社会の規律や道徳を破り、不誠実な行いをしている可能性はありませんか?

あるいは、部下に不当に厳しく当たったり、ルールを曲げることを強要したりして、尊敬を失ってしまったのかもしれません。 良い意味では、旧弊な価値観を打ち破り、革新的な仕事をしようとしている人を表すこともあります。

解説はあくまでも一例です。カードはそこに表現された絵で、私たち一人一人に向けて、その時に必要なメッセージを送ってくれています。そのメッセージを、あなたの心で受け取ってみてください。